暖かくなってきた
暖かくなってきた。たしかに暖かくなってきた。大事なのは、暖かく「なってきた」ことであって、決して暖かくはないということだ。依然寒いよ。2月前半のような極寒ではなくなったというだけであって、寒いことには変わりない。お昼どきに、もう上着を脱いで外に出る人を見かけるが、心底アホだと思う。外が暖かくなった分上着を脱げば、そりゃ寒いに決まっているよ。2月の時は上着を着てちょうどよかった訳ではなくて、上着を着ても寒かったということを忘れている。今の時期に2月と同じ服装をすることによって、やっとちょうどよくなるんだよ。
人の「デフォルト」状態ってほとんど変わらないなあと思う。10年前と比べて、どこにでもスマホを持つようになったくらいで、ほとんど変化がない。どうしてアップデートされないんだろう。性懲りもなく夏に「暑い」と言って、冬に「寒い」と言う。食べて、寝て、信号を渡って、電車に乗る。たぶん14歳から、何も学ばなくてもギリ生きていける。大人になってからの変化は周辺機能ばかりであって、本体はもう変えることができないのを実感する。あとは残りカスをどれだけ絞れるかを競うだけのような気がして虚しいけれど、「寒い」とか「辛い」とか、寿命回数繰り返したくはないなあと思う。どうせ自分は変わらないのだから、変わらなくても良いような世界にしたい。
世の中は甘いほうがいい。
【組込みOS】数字が表示されないんだよ
11月から本格的にOSを自作し始めたが、年末に忙しさという急ブレーキがかかり、そこから全く進んでいない。しかもずーっと同じところで止まっている。
画面に数字が表示されないんだよ!!
文字の出力はできるのに、数字の出力だけ何故かできんのじゃ。
「Hello World」は表示できるのに、「10」は表示できずに空行が表示される。そのせいで、マイコン→PCに対して数字が送れず、通信が確立できない。よって、肝心のOS転送ができないでいる。むずいねんクソが。
ソースを貼り付ける。技術系の記事を書いたことがないので、こういう時、検索しやすいようにテキストで貼るという慣習を忘れていた。png上等。
<putint()で数字を表示したい>
<コマンド表示のための初期化後、ドライバにデータを詰める>
<レジスタに値を代入。これで表示されるはずのやつ>
どうしてもこうなる.png
何故数字だけがうまくいかない??
この状態が2ヶ月くらい続いてストレスを感じるようになった。
やってみたこと
①値を直接代入しているから駄目なのでは?
→数字を変数に入れてから出力する。
②UW(unsigned short int)を最終的に1バイトのレジスタに代入しているから駄目なのでは?
→レジスタに代入する直前でキャストする。
やっぱダメ.png
もう諦めろ.png
うわー。
サンプルプログラムの参考元。同じはずなのになぜ。
客先常駐500日
客先常駐を始めて500日が経過した。1つの客先に2年近く留まるのは、一般的にはたぶん長い方だと思う。色々な事情が重なって、新卒から今までずっと同じ所で仕事をしている。あくまで主観的な判断だけど、優秀ではないが無能でもない所まで来た。少なくとも今の仕事に関しては、かなりできるようになった。これは単にずっとやって慣れただけという側面が強い。努力して人より抜きん出た部分はない。慣れと地頭でなんとかなっているだけで、考えて生きないとこの先は真っ暗だと思う。今のうちにここ2年間のしごとを振り返っておく。
客先で2年間仕事をして、僕が感じた良かったことと悪かったことを記しておく。
良かったこと
- スキルが上がった
これが一番大きな恩恵だ。C言語のプログラミングだけではなく、設計書の書き方、機材の使い方、試験のやり方、お客様とのコミュニケーション(会話、メールの作法)を覚えた。人材不足のせいで、何から何までやらせてもらえたのが良かった。チャートグラフで表すと、ほぼ点の状態から、最小限の枠まで引き上げてくれた。独学では絶対に身につかなかったと思うので、感謝している。ただ、これは客先常駐のメリットというより、単に運が良かっただけだ。たまたま人手不足の仕事場にいたのと、たまたま明確な役割分担がされていない現場だったのと、たまたま優秀な先輩が近くにいた環境だった。場合によってはもっとスキルが上がっただろうし、環境のなるようにしかなっていないと思うと怖い。これから先は違うのだろうけれど、少なくとも最初は環境の役割がばかでかい。
- 自信がついた
「仕事は」できるようになった。だって自分が他の人よりも圧倒的にその仕事に関わっているから。同じ状況だったら誰でもできるようになると思う。自分で調査して自分で設計して自分で書いたコードをテストするのだから、他の誰より詳しくて当たり前である。ただ、当然の思考フローとして、不具合が見つかったら真っ先に疑われる。で、結局当たっていることも多い。(コーディング量に対しては少ない方だと思っているけど、比較対象がないのでわからない。)
最低限の自信が保たれない状態だと休日に影響をきたすことも学んだので、その点は良かったと思う。
- 組込みが好きになった
林修先生が「何を好きになるかは環境次第だから当てにならない」的な事を言っていた。おっしゃる通りで、僕も組込みが好きになっているとは思わなかった。そもそも大学に通っている時はエンジニアになろうと一度も考えたことがなかったし、PCのセットアップがものすごく苦手だから向いてないだろうと思っていた。ただ、ニート期間のあいだ図書館で情報系の本を読んでいたのをきっかけに、大学院時代を経て徐々に接近してきた。中でも組込みを選んだのは、当時やっていた哲学に近いものを感じたからだった。当時読んでいた論文の中に、2種類の問いに関する説明があった。「Xとは何か?」という問いは一般的な問い(一般人が思う問い)であり、それに対して哲学の問いは「Xであることはいかにして可能か?」というものである。哲学の問いに対して、(形而上学的な?)説明を与えることが哲学の目的である、と書かれていた。研究者として同意するには根性が座っていなかったが、一般人になった今、好みとしてすごく同意したい。今実現していることから、トップダウン式に考えるのが好き。「printfとは何か?」「文字を表示する関数である」で先に進むよりも、「文字を表示するのはいかにして可能か」について知りたい。誰もが知っていることを深く掘り下げるのが好きなので、結果論だけど組込み系は僕の性質に合っていた。
悪かったこと
- いざと言う時の決定権がない
これはメンバーという立場だからしょうがないのかもしれないが、大事な事を自分で決められないのが辛い。決定権がなく、毎度色々な人に確認を取る必要があるので疲れる。特に入ったばかりの頃は仕事もできず、存在を軽視されていたため、大量の資料が「レビュー待ち」で止まっていた。で、期限ギリギリでレビューされ、大量に指摘を受けてとんでも残業する羽目になり、心が折れる。そういう時、社員であれば気軽に「おねがいしますー」といけるのにと思う。
- 仕事ができると錯覚してしまう
最近、仕事はできるようになったことの弊害をすごく感じている。アドリブでのコミュニケーションとか、軽い冗談に対しての同程度い軽い冗談を入れた応答とか、未だにダメダメな事も多いが、それ以外はそこそこ出来るようになった。だが、それによって自分ができると勘違いをするようになっている。最強伝説黒沢じゃないが、自信がついて他人への当たりが強くなっている気がする。それに、以前なら調べていたことでも必要ないと判断できるようになって、深追いしなくなった結果、最低限の調べものしかしないようになった。あと何より、単純に落ち着かない。今まで生きてきて自分が有能だったのがはじめてな気がする。だけど、今いる会社は、日本の中でたぶんそんなにレベルが高くない。そんな場所で、ただ長く仕事をしているだけで、できるようになったと勘違いしている奴に未来はないだろう。勉強会に行くようになってよかったと思う。
- (やはり)目的はない
SIerの目的って何だろうか?「お客様の目的を情報サービスによって実現する」ことであるならば、こんな他力本願ことはない。しかも客先常駐企業にとってのお客様はだいたい大手SIerである。つまり、お客様の目的を情報サービスによって実現するという目的を情報サービスによって実現するのである。二次請け三次請けとなると、もっと再帰的になる。だけど結局、目的がないのが本質のような気もする。他の会社の目的により適応するのが目的というか、気に入られることが求められているように思う。
- 社内との交流がなくなる
自分の会社内での交流がなくなる。まれに同期で飲み会に行くと、出してくる登場人物がほぼ分からなかったりする。僕にとっては別にいい。
- クソみたいな思考になる。
自分の立場を守ろうとするあまり、情報を隠すようになる。自分だけが知っている情報を「資産」として隠し持ち、人に聞かれない限り教えようとしなくなる。これが一番の害悪だと思っている。IT業界は人手不足なんだよ。社外だろうが協力だろうが情報はどんどん公開してスキルアップさせるべきでしょう。客先の会社が世界になったらおしまいよ。
ウエストランドと季節の愚痴
とにかく寒い。2月に入ってから、さらに一回り寒くなってきている。「寒いのと暑いのはどっちが辛いのか?」は人によるのかもしれないが、寒い方が「強い」のは間違いない。今日家に帰ってから、暖房を最高気温である30度に設定して風力最大で浴び続けているが、全く暑くなく、むしろ快適だ。だが、これが冷房だとそうはいかない。冷房の最低気温(18度くらい?)を出せば、部屋の暑さはひとたまりもなく、むしろ凍えてしまうだろう。よく寒いか暑いかの2択になるけれど、威力が全然違うんだよなあ。悟空とベジータ、ネコ科とイヌ科、電通と博報堂くらいの差がある。AorBと、二者択一にされると誤魔化されるけど、実は重みがけっこう違う。暑い方が辛いという人は、本当に暑い日のMAXと寒い日のMAXを比較しているのだろうか。絶対に寒い方が辛い。
10年くらいにレッドカーペットで見かけてから、ウエストランドという芸人を追っている。知ったきっかけは漫才だったが、最近は主にyoutubeで活動をウォッチしている。2013年頃から1日1本の愚痴動画が平日毎日あがっていて(すごい)、寝る前に見るのが習慣になっている。その中で僕が特に好きなのが「季節の愚痴」である。暑いとか寒いみたいなどうしようもないことに対して、愚痴という人間の感情をぶつけているのが新鮮だった。僕も寒いのがめちゃくちゃ嫌だったけれど、寒さに対して「くそー」とは全く思わず、ただただ受容していた気がする。だが、ウエストランド井口が自然現象や気温に対して愚痴を言っているのを聞いて、「あ、感情をぶつけていいんだ」と目が開かれた。それ以降、僕は毎年、寒いことに対してずっとキレている。
季節(特に寒い)系の愚痴
最後のは特に好き。ずっと考えていれば新たな発見があることを教えてくれる。
Meirio UIがすべてを支配する
エクセルを開いたらまず書式を「Meirio UI」に設定するのが癖になってしまった。もはやゴシック体の線の細さや明朝体の葉脈っぽさは気持ち悪い。エクセルを開くとすぐに全シート選択し、ツールバー>フォントにMeiri...と打ち込み、文字が丸々と膨らんだのを確認して安心する。
最初は、大学院の研究発表だった。僕が所属していたゼミでは、パワーポイントにこだわりを持っている名人が多くて、発表が終わった後のコメントでは、文字の大きさやら読むスピードやら「形式」について意見が述べられるのが恒例となっていた。明朝一辺倒だった僕は、入学して早々に文字が見にくいと指摘を受けた。その時に見やすくするための候補として提案されたのが、書式をメイリオにすることだった。その後、修士論文を書いたが、論文までメイリオを使うことはなかった。修士論文は、明朝体とCambera Mathを使って書いた。英語と論理式はCambera Mathを使って書くのがマイブームだった。明朝体の無駄に横広い数式をダッーと書いた後、Cambera Mathで一気に整えるのが気持ち良かった。
会社に入ると、1年以上をP ゴシックで過ごした。基本的に設計書か打ち合わせ用の資料を作ることが多いため、書体を変えようとは思わなかった。だが昨年末、社内で優秀な人がMeirio UIで基本設計書を作っているのを知った。誰が作ったかわからない設計書があって、上司に確認すると、「ああそのフォントは○○さんだよ」と言われた。設計書に個性を出していいんだ。しかもフォントで。その方が最近退社されたので、僕が勝手に後継者を名乗っている。
MeirioUIの最高なところは、何を書いても「それっぽく」見えるところだ。スカスカの文章でも見応えをもたせる力は他のフォントにはない。そういう意味では萌えアニメに似ていると思う。仮に内容が伴ってなくても、見ているだけで癒やされる感じ。何も考えずボーっと見ていたい。