無意味のような生き方

組込みエンジニアが怒りと無念をさえずるブログ。

Meirio UIがすべてを支配する

エクセルを開いたらまず書式を「Meirio UI」に設定するのが癖になってしまった。もはやゴシック体の線の細さや明朝体の葉脈っぽさは気持ち悪い。エクセルを開くとすぐに全シート選択し、ツールバー>フォントにMeiri...と打ち込み、文字が丸々と膨らんだのを確認して安心する。


最初は、大学院の研究発表だった。僕が所属していたゼミでは、パワーポイントにこだわりを持っている名人が多くて、発表が終わった後のコメントでは、文字の大きさやら読むスピードやら「形式」について意見が述べられるのが恒例となっていた。明朝一辺倒だった僕は、入学して早々に文字が見にくいと指摘を受けた。その時に見やすくするための候補として提案されたのが、書式をメイリオにすることだった。その後、修士論文を書いたが、論文までメイリオを使うことはなかった。修士論文は、明朝体とCambera Mathを使って書いた。英語と論理式はCambera Mathを使って書くのがマイブームだった。明朝体の無駄に横広い数式をダッーと書いた後、Cambera Mathで一気に整えるのが気持ち良かった。

会社に入ると、1年以上をP ゴシックで過ごした。基本的に設計書か打ち合わせ用の資料を作ることが多いため、書体を変えようとは思わなかった。だが昨年末、社内で優秀な人がMeirio UIで基本設計書を作っているのを知った。誰が作ったかわからない設計書があって、上司に確認すると、「ああそのフォントは○○さんだよ」と言われた。設計書に個性を出していいんだ。しかもフォントで。その方が最近退社されたので、僕が勝手に後継者を名乗っている。

 

MeirioUIの最高なところは、何を書いても「それっぽく」見えるところだ。スカスカの文章でも見応えをもたせる力は他のフォントにはない。そういう意味では萌えアニメに似ていると思う。仮に内容が伴ってなくても、見ているだけで癒やされる感じ。何も考えずボーっと見ていたい。

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