無意味のような生き方

組込みエンジニアが怒りと無念をさえずるブログ。

防寒グッズの性能を確かめるために岩手に行く(1)

毎年、毎年、冬が来ると猛烈に嫌になって、夏が来ると忘れる現象を繰り返していたのだが、今年の冬もやっぱり嫌だった。冗談みたいな寒さの日が何日か続いて、ただただ耐えて、時には寒さに気づかない振りをして過ごしていた。会社の場所が海沿いにあるので、年中猛烈に風が吹き荒れているが、とにかく寒いわ髪は崩れるわで、メリットのなさに腹が立つ。最近、『ファストアンドスロー』という本の上巻を読んでいるが、この本で言われているシステム1(主に直感)とシステム2(主に思考)という脳のシステムのうち、「寒さを我慢する」というのがシステム2の役割だと知った。システム2には限度があって、すぐに消耗する。寒さを我慢することにはなんの得もないのに、貴重なシステム2を消費するのはもったいなさすぎる。システム2をもっと意味のあることに使うために、寒さを我慢しなくてすむようになりたい。

 

2月の終わりに防寒グッズを買ったが、今までの習慣から抜け出せず、数回しか使わないまま3月の中旬を迎えてしまう。3月の中旬、東京はすごく暖かく、これからずっと春が続くのではないかと思っていた。このまま暖かい日が続けば、寒いという不満に何の対策も講じないまま、来年の冬を迎えてしまう。そして次の冬が来て、また同じように嫌悪と忘却を繰り返すことになる。想像すると、急に焦りを感じるようになった。なんとか今年中に防寒グッズを試せないだろうか。東京はもう春になってしまったが、東北はまだ冬なんじゃないだろうか。

 

3/21の平均気温を調べてみた*1
1位:北海道宗谷岬(-4.4℃)
2位~74位:北海道の地域
75位:岩手県盛岡市藪川(-0.8℃)
76位~100位:北海道の地域

 

寒さよりも北海道のすごさが際立つ!75位を除いて、100位以内はすべて北海道だった。九州の人間からすると、新潟も青森も北海道も同じくらいの寒さかと思っていたが、実際は北海道のほうが確実に寒いらしい。そうなると逆に、北海道じゃないのにランクインしている75位の藪川という地区が気になった。色々調べていくと、この日だけではなく、安定して寒いということがわかった。標高が高い(680m)ことと、にもかかわらず盆地のために冷気が貯まることが寒さの原因らしい。ただ高くて寒いというだけで(?)「日本のチベット」と呼ばれているそうだ。

 

3月の給料が入ったら、行ける。前田裕二さんの『人生の勝算』というビジネス本を読んで気分が高揚していた僕は、その勢いで盛岡のホテルを予約した。行く1つ目の目的は、「防寒グッズの効果を見極める」こと。寒さの本場で試してみて、どのくらい使えるのか検証したい。大いに効果があるなら今後使えるので嬉しいし、効果がないならないで、やることが残っていてうれしい。2つ目の目的は、「自分はどれくらい寒さが嫌なのかを知る」ため。寒いことを自分の人生のでどの位の大きさの問題と考えるか。これから続く暖かい日々を、寒さ対策のために使えるかどうかを判断したい。

 

※だが意気込んでいた矢先、25日くらいから東京がめちゃくちゃ寒くなり、やる気を急激に失った。元来のだらけ癖と相まって、前日の深夜2:00になっても、荷物を1つも準備できない(次の日は仕事)。でもホテルのキャンセル料が発生してしまうので、しかたなく服と充電器類を鞄に詰めて寝た。直前のビジネス本で学んでいた「コミットメントは大事」という理論を肌で実感することになった。

 

3月28日、仕事終わりに荷物をコインロッカーにぐちゃっっと預け、新幹線で盛岡へ向かった。

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そういう管理は無理

コインロッカーに預ける際、社員証をどうするかで本気で悩んだ。ロッカーに入れっぱなしにするか、旅行に連れて行くか。岩手の路上で落としたら、もう二度と戻ってこないだろう。ただ、ロッカーに入れておくと、僕の性格上、回収が面倒になってそのまま放置する恐れがある。考えた挙げ句、旅行カバンの方に入れて岩手まで持っていくことにした。一蓮托生の旅。

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 到着した。

 

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