無意味のような生き方

組込みエンジニアが怒りと無念をさえずるブログ。

私の独学遍歴(2019.4~2021.6)

約1年半前に、IT企業(SIer)から自社開発の会社に転職した。

エンジニアとしての武器がない状態での転職だったので、はやく社内で認められたいと思って独学で色々な事に手を出してきた。

これまでの独学遍歴を書いておく。なお、入社から1年半が経過した現在、まだ武器はまだ見つかっていない。

 

2019.12(転職前):[ROS]

面接でROS使える?と質問されたことをきっかけに、それまで存在も知らなかったROSの勉強をはじめる。1度だけ社外イベントにも参加する。チュートリアルを半分終えた頃に転職。最初の飲み会の帰りに「ROSやりたい」的な事を言ってみた気もするが、一切使わないまま今に至る。

 

2020.1-2:[C#]

転職後、それまで経験がなかったC#の勉強を勧められる。入社して3日後、小規模なアプリ開発の案件を依頼される。入門書を2日で終えたりとか頑張る。できる同僚に対して不安を吐露したりフォローをお願いしていたところ、気づいたら同僚がやってしまう。その後アプリ開発はほとんど依頼がなくなる。

 

2020.3:[STM32]

本職はマイコン開発だと割り切って、組み込みを頑張ろうと思う。STM32を購入してビルド~少々いじる、位をやってみる。だが、地味だし仕事での需要がほとんどないんのではないかと思い、やる気が出なくなってやめる。

 

2020.4:[Unity]

会社で少し流行りそうなUnityが面白そうだと思って手をつける。合計22回のドットインストール講座をやってみて、10回目くらいで講義の内容と自分のプログラムが少し違うなあと思っていたが気にせず進めたところ、17回くらいで完全に動かなくなって諦める。Unityは数ヶ月後、会社で爆発的に流行る。

 

2020.5-6:[AWSIoT]

仕事で遠隔操作アプリの話があり、自分は担当ではなかったが使えそうだと思って調べる。AWSIoTを使ってマイコンをWeb経由で動かせることに感動する。Amplifyの講座にも参加して、Webアプリからラズパイ経由でLチカ、くらいは出来るようになる。社内アピールを終え、そういう案件はなかったので終わる。

 

2020.7-9:[電気・電子回路]

電気系の仕事が増えてきたので、いっそのこと本気で勉強しようと思い始める。電子回路を勉強しようと思い、色々な本を買い込み、少しやっては辞めるのを繰り返す。電験三種を取ろうと思い、資格サイトや動画を休憩中に見るようになる。第二種電気工事士の資格を取ろうとして筆記試験に合格するが、持ち前の怠惰さゆえに技能試験の勉強をサボり、未受験に終わる。いつの間にかモチベーションが消えて終了。

 

2020.10:[C#]

入門書をさらっとしかやってなかったC#を本気でやろうと思い始める。paizaの講座をすべて受講する。ただ、やりたいことがないので、そこから何もせずに終わる。このあたりから毎日1時間はコードを読もうと思う。逆にそう思わないと読む機会がないほどにプログラマの仕事がなくなる。

 

2020.12-1:[画像処理]

画像処理が分かると超絶役に立つことがわかり、正月前から勉強をはじめる。入門書を8割くらいまでやったところで、冬休みが明ける。仕事がはじまると、画像処理は一切使わないのでやらなくなる。

 

2021.2-3:[AWSKVS]

ビデオ会議システムについて同僚に質問されたのがきっかけで調べ始める。以前やっていたAWS繋がりで、AWSKVSというシステムがあることを知る。チュートリアルを使って、ビデオ会議システムを構築する。仕事にも導入したかったが、現時点の需要はないとのことでやめる。

 

2021.4:[C#]

Udemyという動画サイトでC#系の講座を受講する。UIに興味が出てきて、WPFとかをやろうと思ったけど、簡単なことをやるのに手続きが面倒で諦める。

 

2021.5:[FreeRTOS][AWSKVS]

InterfaceでFreeRTOS特集号が出たことをきっかけに勉強を再開する。ゴールデンウィークを犠牲にしてESPにFreeRTOSを導入することに成功する。後はソースをいじって色々と試すだけなのだが、やりたいことがなく急激に飽きてやめる。

その後、再びAWSKVSに手を出し、Qiitaを見ながらついにビデオ会議システムをWebアプリ化することに成功する。

 

2021.6:[モーター]

仕事で関わったというのもあり、モーター制御について詳しくなりたいと思い勉強をはじめる。

 

色んな事に手を出してきた1年半だった。この時間を1つのことに費やしていれば今頃はそこそこプロフェッショナルとして活躍できたのではないかと悔やまれる。こうやってまとめてみると、自分の傾向がわかってよい。仕事で認められたいと思って新たな技術に手を出すも、仕事で使わないからモチベーションを失ってフェードアウトする。結局、まとまった時間が使えて、それを活かす場所がないと長続きしない。だから目の前の与えられた仕事を一生懸命頑張ろう...というのはたぶん無理だ。せめて、仕事に関係する興味のあることを頑張ろうと思う。

 

それで良かった

人生で二度目の教習所に通い始めた。一度目は大学二年生の時。普通車オートマの免許を取るために友達と通った。第一段階の途中くらいから行かなくなり、最後は大学の予定を無視したスケジュールを教習所で組み、教習期限の最終日に最後の教習を終えた。大学三年の前期は単位を落としまくり、取れたのは6/20くらいだったと思う。本免試験はそれはそれで苦労して、親に車で1時間かけて送ってもらった試験場で2回落ちた。3回目でようやくギリギリ合格できたが、3回目の試験日前日に「高校依頼久々に勉強した」感覚になったのを覚えている。怠惰を謳歌していたんだなあと実感する。

 

苦労して取得した運転免許だが、その後10年間1度も車を運転したことはない。親に練習としてやってみろと言われて駐車場を一回りした夢を見たくらいだ。それなのに先日、免許を失効した。取得後1回しか免許更新せず、住所変更も一度もやらなかったから、ハガキも届かなかったのだ。矛盾しているようで当たり前の話、免許を取るのに苦労する人ほど失いやすい。

 

別に免許なんていらないと思っていたが、今の仕事になってから必要な場面が増えてきた。僕自身もそれなりに運転したいと思うこともあった。海ほたる行きたい。江ノ島行きたい。なので、あんなに苦労して通った教習所に再び通っている。(一発取得も考えたが、おそらく教習所びいきの教官に厳しい発言をされることを考えると躊躇した。)今回は二回目ということもあり、スムーズに取得できている。教習所内の自習室でおどおどしていて教官に話しかけられることもあるが、名簿を見せるとそこから敬語と丁寧な態度になる。今回は問題なく取得できるかと思いきや、やはり数ヶ月サボったことで期限直前を迎えた。今回も原因は怠惰である。毎度のことに我ながら感心する。3月頃に仮免取得前の自習に行き、そこから自習が嫌すぎて行かなくなった。自習などよいから試験を受けさせてほしいのだが、そんなことを他人(教官)に話す度胸はなかった。勉強するのも嫌、勉強しないで受験して教官に悪い悪い点を見られるのも嫌、なので詰んでいる。そういうわけで、今回はもう死(期限切れ)を覚悟することにしたのだが、今日教習所から電話がかかってきた。理由は書けないが、期限を伸ばせそう、とのこと。そうか、そうか。そういうこともあるんですね。ただそのためには教習所に行く必要がある。さてどうする。

 

youtu.be

毎日書くことにする

美容院で「今日はどう過ごされましたか?」と聞かれ、耳を真っ赤にしながら答える。

「特に...何も..。まぁ..近所を..ダラダラして..ここと近いので。遠出はしてないですね....。」

 

休日の過ごし方を赤面して話す既婚者っているのだろうか。もっと言えば、赤面して話していた既婚者っているのだろうか。美容院へ行くと、壊滅的な対人能力であることを思い知らされる。せめて信念を持った無口であれば、それを好む人間を探せばよいのだが、自分でも不本意に感じているポリシーのない無口では、好きになりようもない。絶対1世代で消えるんだと決めているとしか思えない行動をしている。

 

休日の過ごし方。本当は、12時前に起床し、ベッドでダラダラ&TV番組をパソコンで見て15時になり、外に出て松屋で昼食を取り、ファストフードで20時まで勉強する振りをしながらネットサーフィンをしていた。

休日に何かをすることができない。家にいると体が液状になる。洗濯をしたり、税金の書類を書いたり、教習所に行ったり、掃除をしたり。しないといけないのだけれど、本当に何もできない。

 

ハリウッドザコシショウは約10年間、毎日動画を投稿しているらしい。自分が芸人だったら、才能じゃなくて努力で諦めたんじゃないだろうか。頑張れずに辞めた芸人は、他の場所で活躍できているのだろうか。

ブログでもQiitaでも良いけれど、とにかく毎日書くことにする。何もできない人は、定義上、何もできない。何もできないのだから、何もできない自分のことを晒すしかない。職場のお喋りから逃れたくてトイレで15分間過ごしている人間が仕事で評価されるとは思えない。職場で評価されないのなら、スキルか、文章か。どっちも駄目だけど、駄目であることは自分にとって理由にならない(すべて駄目だから)。

30歳のはじめに

3ヶ月前、30歳になった。やりたいことがないので、やり残したことはない。もし10年前に戻れたとしても、今のメンタルのままなら(ほぼ)同じことを繰り返す自信がある。高校に入学して最初の部活動を選ぶとき、各教室ごとに部活の受付が行われていたのだが、最初僕はテニス部の教室を間違えて体操部の教室にいた。女子の多さに気づき、あわててテニス部の教室に行ったが、もう顧問からの説明が始まっているのを入口から覗き、教室に入れず家に引き返した。結局高校時代は部活に入っていない。大学の時も席がある程度埋まっているという理由で講義を休んだことは数知れないし、つい先日も自動車教習所からの催促電話を出る勇気がなくて無視した。このまま免許は取れないかもしれない。性格の変わらなさについては、本当に自信がある。

年齢のことを考えていたら、大学院生の時、バイト先の大学生から「大学生の時にやっとけば良かったことって何ですか?」と聞かれたのを思い出した。今思うと、失敗例にするなと怒るべき案件だったのだろうか。やっといて良かったことじゃなくて、なぜやっておらずに後悔している前提で話をするのか。相手がホリエモンみたいな成功者だったらまず「大学生の内にやってて良かったことは?」と質問するのではないか。

『生きるススメ』という漫画が好きで、その中の「D'ont trust over 30」という短編がある。30歳を前に会社を辞め、役者を目指した年上の同僚に「世界の真理は30歳までに理解され、それ以降は忘れていくらしい」と言われた主人公。数年後、TVに映った彼を見て「あいつは30で狂ったのか、それとも29で何かに気がついたのだろうか」と呟く場面がある。私が29で気がついたことといえば、人の性向は変わらないことであり、30で狂うとすれば、人の性向が変わらないからだろう。

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文系院卒のアラサーが何故か電子回路設計をやっている件

転職した先で電気系を担当することになった。
具体的には、ロボを動かすためのシステム構成を考えたり、動かすのに適切な部品を選定したり、電子回路を組んだり、配線・半田付けしたりする。
2年位組込みエンジニアをやっていたが、回路図を若干読んだことがある位で、それもAのこのポートとBのポートが繋がってるんだなーと確認する程度で、電気的なしくみはほとんど気にしたことがない。そもそも、高校2年生~大学院まで文系で、電気の勉強を最後にしたのはおそらく中学生のころ。それがこんな事になるとは。6年前の大学生の自分からは3年後にSEになるとは想像もしなかったが、3年前の自分も3年後に回路設計やるとは思わなかった。これで完全にSEではなくなった。

 

まあでも、電子工作が上手くなりたくて今の会社に入ったので、ポジティブに捉えることにする。正直プログラムは独学でもできるけど、電気に関しては自力で初心者の壁を超えるのは無理だったと思う。仕事もしつつ勉強もできるのは有り難い。会社だと環境も揃っているので、実験もやりやすそうだ。理想は「あのデバイスを動かしたい」って要求がある時に、じゃあこれとこれをこう繋げれば・・ってすぐ説明できるようになること。そこまでいけたら、電子工作の幅も一気に増えそう。なのでまずは電子回路の基礎から身につけたい。

 

当面の目標は以下の疑問に答えられるようになること。

3ヶ月後にはペラペラと2000文字くらいで説明できるようになりたい。
トランジスタって何?
コンデンサって何?
・リレーって何?
・デバイスを動かす電圧を作るには?(レベル変換のしくみ)
・電流は何を気にすればいい?
・テスターはどう使う?どこに挿せばいい?

 

あとは辞めないように。。。

【2019国際ロボット展】建設生産・管理システムにおけるAI・ロボットの活用レポート

はじめに

12/18~21日に東京ビッグサイトで開催された「国際ロボット展」に行ってきました。

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僕は19日に開催された「建設生産・管理システムにおけるAI・ロボットの活用」というセミナーに出席しました。せっかくなのでレポートと感想を書きます。

 

セミナーの様子

朝の10時30分から西4ホールというキャパ500人くらいの会場で行われました。出席者は約250人くらい?年齢層は比較的高めで、スーツの方が多かったのが印象的でした。ゆるめのセミナーとは違って、講演中にスマホをいじる人はほぼいないのが新鮮でした。

 

講演1:建設生産・管理システムにおけるAI・ロボットの活用

発表者は国土交通省の渡邉さん。

テーマはタイトルどおり、建設業界におけるAI・ロボットの導入の話。

国目線でなぜロボットの導入が必要なのか、国が何を目指しているのかというお話が聞けて貴重でした。

 

  • 国土交通省が発表している点検要領の内容が刷新された。

「(建物の)状態の把握は近接目視により行うこと」

「近接目視により把握するか、または、自らの近接目視によるときと同等の健全性の診断を行うことができる情報が得られると判断した方法により把握すること」

要はロボットによる点検が認められた!

  • 2018年時点で3割の建物が築50年以上。あと5年で建物の半分近くがが50才以上になる。
  • インフラロボット導入を推進するのは5つの分野。

 (1) 橋梁

 (2)トンネル

 (3)ダム

 (4)災害状況調査

 (5)災害応急復旧

  • ロボット検知の段階

 Lv1. 損傷箇所を点検する

 Lv.2 損傷の種類を分類する
 Lv.3 点検要領に基づく損傷エリアのレベルづけを行う。
 Lv.4 Lv.1~3をどんな角度からでも判断できるようになる。

 現状できているのはLv2まで。Lv4までできるようになってほしい。

  • ムーンショット型。国が目指すべき未来像を提示することが大事だと考えている。2040年には建設工事の完全自動化を目指す。

 

講演2:インフラ点検へのロボット導入推進について(点検AIの可能性)

発表者は土木研究所の新田さん。

こちらは開発側目線から、現状のロボット点検の何が問題で、どこに希望があるかを分かりやすく説明してくれてとても勉強になりました。

  • ロボット点検の必要性

点検にはめちゃくちゃお金がかかる。

例)足場がない橋を点検する場合。機材のレンタル費だけで1日20万かかる。さらに近くの道路を通行止めにしたりと影響は莫大。

建設業の労働者の1/3が55歳以上。これから労働力は不足していく。

  • ロボット点検の問題点

点検の際、損傷箇所を写真に収める必要があるが、人とロボットでは状況がことなる。

人⇒撮影枚数は(1つの建物につき)約100枚程度。損傷箇所だけだけ撮影し、傷が見やすい角度を考えるため、後で確認するのがが容易。

ロボット⇒撮影枚数は約10万枚。損傷箇所以外も撮影する上、見やすさを考慮せず傷も判別しにくい。

ロボットの精度としては、傷が3mm以上であれば、人が点検した場合の80%は検出できるレベル。1mm以下になると検出率は50%程度になる。これを多いと捉えるか少ないと捉えるか。

 

  • 点検ロボットの可能性

10万枚の撮影を強みにする。SfM(Structure from Motion)*1という技術を使えば、撮影した写真からPC上に実際の建物のモデルを表示し、カーソルだけで点検できるようになる。この技術を使えば、点検と補修の工程を分ける必要がなくなる。モデルを見てあらかじめ損傷をピックアップしておけば、現地で点検しつつ補修を行えばばよい。

  • 性能評価

これからのロボット点検の指標は、人との比較ではなくベンチマーク評価とするべき。また、計画、整理、点検、報告書作成の自動化率を出し、性能を測れるようにするべき。

 

感想

どちらも非常に丁寧で分かりやすく、素晴らしい発見のある講演でした。

点検ロボットって便利で楽だなくらいに思っていたのですが、人命に関わるため導入が非常にナイーブで、技術的にも難しく全自動になるまでいくつも乗り越えるべき壁があることを痛感しました。現状のロボット導入は思ったより少なく(1割程度)、まだまだ参入の余地があるのでやりがいがありそうです。

 

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*1:対象を撮影した複数枚の写真から、対象の形状を復元する技術。http://mogist.kkc.co.jp/word/3c541ad3-87ea-4b71-8eee-8f7b7224d2a6.html